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谷相の弟子日記 お茶つくり


いつも、ごはんのあとに

みんなであつあつの煎り番茶をいただきます。

けれどこの間、お茶のストックがおわってしまいました。

お茶摘みの時季までは

もうすこしかかります。 


ユミさんがいいました。

「新芽じゃなくても、葉っぱをあつめてお鍋で煎ったら番茶になる!」



そして、近ごろのわたしたちは、

果樹園や森や谷においてある

みつばちの巣箱のお世話の毎日です。

巣箱のまえの草を刈ったり、

はちみつを、ぬってあげるのです。

果樹園や森の中に、野生化したお茶の木がたくさん生えているのです。


さっそく巣箱のお世話のついでに

お茶の葉っぱをあつめました。

枯れかけていたり、かたい葉っぱも大丈夫。

大きな鍋のなかに、はさみでちょきちょき葉っぱを切って入れます。枝もポキポキいれます。

大きい火をかけて、ヘラと手でせっせせっせと混ぜます。葉っぱが汗をかいて、蒸気があがります。 

焚き火のような香りにうっとりします。


うっとりしてたら、うっかり。

葉っぱが焦げこげ。

気づいたら台所全体がもくもくと煙だらけになってしまいました。

鯛や天馬があわててぜんぶの窓や扉をあけて換気扇をまわしました。


できました!『こげ番茶』。


おやつに飲んでみると

そんなにこげた味ではなく

すっきりしてておいしかった。

何度も何度も煮出して飲んでいます。


このあたりは

お茶の木がたくさんなので

こうしてお茶が、つくれることがわかると森がただの森じゃなくなってくる。お茶の森。


きこりの晴一さんは、生前「森は宝の山」とおっしゃっていたそうです。

晴一さんが森を見るとき何を見ていたのだろう。

晴一さんの目に、すこしでも近づけてたら、

まえよりもずっと、わたしはこわいものがなくなっているはず、と思うのでした。



まり